『ゲルニカ』宮下誠
見返してみると、1/10以来、本について書いてない。読んだ本全部じゃないにしても、もうちょっとなんか書こうよ。。>私
というわけで、最近読んだ本から。
- 作者: 宮下誠
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/17
- メディア: 新書
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目次
第1章 神話的メッセージ
第2章 制作過程
第3章 美術史の中の『ゲルニカ』
第4章 オリジナリティと多層性
第5章 呪術的な力―歴史画として読む
第6章 ピカソの予感―「負」の戦争画
スペイン内戦、ゲルニカの町の空爆をモチーフに描かれたピカソの「ゲルニカ」。一枚の絵についてのみひたすら語る。ピカソの絵の中での位置づけ、美術史的位置づけ、描かれている牡牛、馬、死児を抱いて泣く女といった要素に対する解釈、、一枚の絵を様々な角度で読んでいく。
1937年、パリ万博向けに、スペイン政府から依頼されて描かれた。依頼されて描いた、というのが、ピカソとしては非常に珍しいものらしい。で、モチーフとなったゲルニカ空爆は1937/4/26、5/1にはこれをテーマにすることを決め、6/4には完成したらしい。たった一月で描かれたとは。
驚くことに、製作過程が、愛人ドラ・マールによる写真で残されていて、本書で紹介されている。現在残っている最終的な絵になるまでの試行錯誤のさま、あそこはああしようとしてたこともあったのかー、ってとても興味深い。他にも構想段階で描かれたちっちゃな下書きというか習作も多数掲載されていて、こちらも興味深い。
「一枚の絵を考えることは、世界をよりよく理解する事にほかならない」