なにわバタフライ@PARCO

舞台をみる。
なにわバタフライN.V|PARCO劇場|パルコ劇場
戸田恵子さんの一人舞台、三谷幸喜作、演出。
今は亡き、ミヤコ蝶々さんの一生を、戸田恵子さんが一人で演じる。とにかくすばらしい。
前から2列目。超ラッキー。
120分舞台の上にでずっぱり。共演者がいるときの相手が演技しているあいだ気を休める、(というわけでもないんだろうけど)ちょっと緊張を緩める、といったこともできず、ほんとにすべてひとりで演じきる。数人で演じる舞台と比べたときの戸田さんの疲労感は半端ないだろう。そうはいっても、過去にもなんどか演じてきた演目であり、肩の力を抜いて演じられているようには見えるが。
戸田恵子さんが舞台に出てきて、普通にようこそいらっしゃいました、といった世間話をはじめ、舞台の上にあった大きな風呂敷につつまれたセットをひろげ、一人芝居のパターンにはあれこれといったものがあるけど、今回の舞台はどれでもない、で、はじまっていく。
7歳ころから始まり、主に人生に影響あった男性とのからみを3部構成で見せていく。3部構成といっても観客にとっての休憩があるわけでもなく、戸田さんが舞台上でちょっと緊張をとくような。時代が少しとぶところで区切っているだけで。主要な登場人物はお父ちゃん、和歌山の劇場のわか、同じ旅一座のにいやん、最初の結婚相手、2度めの結婚相手、だったかな。1部は最初の3人(お父ちゃんは2,3部でもちょくちょく登場するけど)が登場して初恋と初体験と、2部は最初の結婚離婚、3部は2度めの結婚から離婚してその相方が亡くなって看取るまで、くらいの区切りだったと思う。「額縁」で相手を表現する演出が珍しい。男と女の関係になるときにお父ちゃんの額縁をぱた、と、倒してみたり。
たくさんの人が登場する舞台だと、こっちの人はいまいちだったけど、こっちの人がよかったので見ている方も救われた、なんてこともあるけど、一人芝居だと、当然そういったことはなく、"はずした"演目のときは目も当てられない感じになるのだが、今回の戸田さんはもう文句なしに素晴らしい。一人で舞台と客席を見事にコントロールし。いいもんみせてもらいました。