『あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜』@コクーン

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http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami.html
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スタッフ
作・演出:長塚圭史
原作:山田風太郎『魔群の通過』


出演
小栗旬小日向文世白石加代子原田夏希小松和重古舘寛治横田栄司
福田転球、武田浩二、駒木根隆介、斉藤直樹、六本木康弘、木下あかり、後藤海春、
後田真欧、中山祐一朗伊達暁長塚圭史中村まこと、大鷹明良、小野武彦


長塚圭史が書下ろし新作で、約7年振りとなる時代劇に挑む―。原作となる山田風太郎著『魔群の通過』は、尊皇攘夷の志を胸に水戸から京を目指した水戸藩天狗党の一千キロの人知を超えた行軍を克明に描いた歴史小説だ。長塚は3年程前に出会ったこの小説の面白さには度肝を抜かれたという。「新撰組などには元々興味もありましたし、人気のある歴史だから否応なしに触れる機会も多いでしょう。けれど天狗党のことはほとんど何も知らずにいました。同じ時代で、これほどまで風景が違うのかと、歴史の影を感じました。」注目すべきは、長塚が今作で中心に据えるのが天狗党の残党、〈さいみ党〉が藩内で繰り広げた凄惨な報復劇であるということだ。「朝廷へ向け西へと行軍した天狗党は、一概には言えないけれど基本的には礼儀正しく、儀を重んじる集団だった。その志を無にして復讐に走る虚無感。殺人集団となり、行為としては勿論強烈だけれど、鈍く纏わりつく〈希薄〉さ、〈薄〉さ。そこにとても興味が湧いたんです。」史実を描いてそのまま提示するだけでは意味がない―、と長塚は言う。「いわゆる歴史劇ではない、チャンバラでもない。歴史という名の悪夢にのみ込まれていく男の姿を描くことで、脈々と流れる時代と血の宿命が、平成の現代と地続きだという感覚を劇場で共有したいですね。」その為に、いくつかの仕掛けも用意しているという。物語の冒頭を第二次世界大戦の敗戦直後に設定。混乱の世を生き抜こうとしている青年が、ある宿屋で悪夢に呑みこまれ、さいみ党の血で血を洗う復讐劇を追体験していく。近年の特徴のひとつと言える時空を自在に飛び越えて物語を進める手法は、観客の想像力を大いに喚起することだろう。挑戦的な作品に、待望の初顔合わせとなる小栗旬を筆頭に刺激的な俳優が揃った。
「小栗さんは、この企画に対して構えずに飛び込もうとしている姿勢が良いですね、ワクワクしていて。同世代として一緒に舞台が創れるのはとても楽しみです。小日向さんは、シリアスな、頑なな面が見え隠れすると色っぽいでしょう。この話のダークな面を担ってもらおうかと。白石さんとご一緒するのは2回目ですが、本当にチャーミングな方で。その土着性というか、重心の低さが作品の演劇的要素を拡大してくれると思います。」他にも舞台に奥行きを与える異色の俳優陣が集結した。「皆さん、個性は強烈だけど作品に真摯に向き合って、世界を一緒に創っていける俳優たちです。僕も心して向かいます。」そして、今回は2年振りとなる阿佐ヶ谷スパイダース本公演でもある。「スパイダースをシアターコクーンでやってみたかったんです。間違いなく冒険だし、コクーンの空間を、キャスト・スタッフと共に生かしていくことで新しいスパイダースに成り得ると思っています。」
 執筆に入る前に、天狗党決起の場である茨城県水戸市、そして終焉の地となった福井県敦賀市に出向き、実在の志士たちの墓前に挨拶をしてきたという長塚圭史。遠い国の、遠い時代の話ではない。道を見失った報復の連鎖のその先に、私たちは何を見るのだろうか。


長塚圭史が原作としたのは、鬼才・山田風太郎の異色の歴史小説『魔群の通過』です。維新前夜、尊皇攘夷の志を胸に決起し、京を目指した水戸藩天狗党の恐るべき、そして哀しい一千キロの大遠征の記録―。風太郎が[日本において唯一の内戦]と位置付けた、歴史上稀にみる凄惨な史実ではありながら、その行軍の途中での様々な逸話は、粒際立った登場人物たちの純粋な精神が感じられ、どこか牧歌的な魅力を放ちます。
そして、今作はこの悲劇の後日譚としてのみ言及されることが多い、天狗党の残党による復讐集団、【さいみ党】を中心に据えることで、更なる人間の闇に光を当てます。目的も志も見失い、復讐の幽鬼と化しても尚、そこに正義を見つけようとする姿に、私たちは何を見るのか―。史実を多層的に描いた原作を得て、長塚圭史が激しく<現在>を問いかけます。時空を自在に飛び越えて、観客の想像力を大いに駆りたてる独自の作劇手法を取り入れつつ、劇場空間に呼応する、挑戦的かつ上質なエンターテインメント作品が誕生します。

コクーンの2F席から。やっぱ、遠い。コクーンの2Fはどうも苦手で、どうも入り込めない。これまで、なんどか、コクーン2Fからみたけど、どれも、なんだか、遠い世界を見ている感じで、実際の舞台がどうだった、という印象が薄い。。舞台の内容もあるんだろうけど、席のせいもあるよ、きっと。
あとで、原作くらいはよんでみよう。山田風太郎って、聞いたことあるけど、読んだことなかったし。