花のノートルダム, ジャン・ジュネ

やばい。最近の本の読まなさ加減がやばい。量的には去年の半分くらいになってしまっている。
まぁ、そんな時期もあるでしょう、、ということで、
そんな中、今日は『花のノートルダム』(ジャン・ジュネ)。

花のノートルダム (光文社古典新訳文庫)

花のノートルダム (光文社古典新訳文庫)

同じ著者の『泥棒日記』と似た読後感。
正直、ちょっと気持ち悪い感じがしないでもない、男色の話を文学に「昇華」させている。解説に取り上げられている三島由紀夫の言葉が全てだ。

ジャン・ジュネ… 世界を裏返しにしてみせた男。現象世界の価値を悉く顛倒させ、汚辱を栄光に転化し、泥を黄金に変え、しかもこの革命をただ言語の力によって、独力でなしとげた男。芸術の極北に立ち、しかも芸術の復活の奇蹟を信じた男。もっとも卑劣にして、もっとも崇高、もっとも卑賤にしてもっとも高貴な文学。

手放しで面白いか、というと難しいが、稀有、唯一無二、似たような作家がいないのは間違いなく、嫌いになるにしても、一度は読んでみるべし。自分好みの似たような作品ばかりを読むよりは、新しい刺激として。

主人公は男娼ディヴィーヌ、同棲相手ミニョンと、後から登場する花のノートルダム(全員性別は男)、その他面々の生活、性活、愛憎。

泥棒日記 (新潮文庫)

泥棒日記 (新潮文庫)